トロントプライドでボランティアをした際に気づいた点のまとめ(2015)

【パレード概要】
いろんな団体が歩いていて楽しかった。200万人が訪れる北米最大級の祭り。縦は淀屋橋から心斎橋、横は御堂筋から四ツ橋筋までの規模で閉鎖、ストリートフェア。11のストリートにお店やサークルのブースがでて、10の特設ステージでそれぞれコンサートやイベントが行われる。10日ぐらいいろんなイベントが行われて、最後の三日間がパレード。トランスプライド、ダイクマーチは政治色が強め、最後のゲイパレードはカーニバルのような感じ。トランスマーチ、ダイクマーチは登録なしで自由に誰でも参加できる感じで、ゲイパレードは登録した団体のみが歩けるようす。250以上の登録があったらしい。パレードは1時から6時すぎまでやる。トランスマーチも1万人以上が歩く。

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多様性を考慮した仕様のウェブのボランティア登録フォーム

●申し込み欄の名前の部分には法的な名前と呼ばれたい名前(名札に印刷される名前)とが別れていたりする。というのも、ミドルネームがあったり、中東地域では名前が何行にもわたるぐらい長いこともあるし、トランスジェンダーに限らず、日常で使う名前と法律名が違う人が普通に多く、その名前が法律名かどうかは誰も気にしていなくて、友達の本名やフルネームを知らないことはざらにある。


●希望する第三人称の欄で他人が自分を呼ぶ際に使ってほしい言葉(He, She, Theyなどが名前と共に名札にも印刷される)を指定できたり、まかないで食べたいものについて聞かれたりする。


●ベジタリアン、ビーガンなど、また宗教的に食べられないものやアレルギーについて記載する欄がある場合もある。


●介助者が同行するか、手話通訳が必要かなど、障害者がボランティアをすることも前提とされている。


●ちなみに、性別欄はほとんどの場合、設けられていない。

 

基盤は反差別ポリシーの徹底

こうした配慮や具体的なシステムが実現するのは、ポリシーがあるからだ。イベントの主催団体や催しの組織体には、多様性を包括した体制を徹底するために、指針を設けている。例えば、私が参加した複数の会では、下記のような原則が宣言されていた。社会構造によって弱い立場にさせられている人たちがいる事実と参加者全員がそれぞれを尊重するように呼びかけられている。


●社会正義の連帯は、全てのメンバーが平等で、お互い尊重と理解に値するという原理に基づいており、このことを確実にするための義務を全員が負っている。差別といやがらせの全ての形式は許容されず、ヘイトスピーチも許されない。それは、反イスラム主義、反アラブ主義、反ユダヤ主義、性差別者、人種差別者、階級主義者、障害者差別者、欲望自由主義者、聴覚障害者差別者、同性愛嫌悪、トランス嫌悪に関する感情、発言に限られるものではない。これらの違反する場合、退場を求められる。


●障害者の参加しやすさを保障すること、及び配慮の自己申告の奨励(自己紹介にて、あるいは申し込み時に記載欄がある)


●性別代名詞の尊重および自己申告の奨励もクィアコミュニティを超えて広がってきている。


●カナダらしい部分で言えば、土地認識をイベント開催時に宣言するところ。

「ここは昔、先住民族の〇〇部族の土地だったところを占拠して街が作られ、現在私たちが使うことができていることを私たちは認識し、先住民族の苦難の歴史に敬意を表する」といったものだ。またそれに関連し、国として植民地支配や世界大戦で加害を行ってきたことを共通認識として押さえる場合もある。

 
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包括的な社会を作るためのボランティア教育

これらは、実際にボランティアがトレーニングを受ける時にもしっかり反映されている。例えば、プライドパレードのボランティアに応募した場合、講習会でイベント趣旨、方針、規則、仕事内容、参加者に対する適切な対応などがボランティアに周知される。特に注目したいのは、参加者に対する適切な対応や、参加しやすさ(アクセシビリティ)を保障するという部分。


●なぜ参加しやすさが大事なのか?参加しやすさは人権だからだ。


●カナダは国連の障害者権利条約を2007年に署名、2010年に批准している。もし参加するのにバリアーがあれば、私たちは配慮しなければならない。


●オンタリオ人権法は20年前から施行されており、公共への参加を含み、平等な扱いを受けることが障害者の権利であることが宣言されている。オンタリオ州政府は障害者のための参加しやすさに関する法律を作った。(Accessibility for Ontarians with Disabilities Act)この法律は2005年から施行されていて障害者にとって参加しやすい社会にすることを目的としている。


●したがって、研修では、視覚障害を持つ人、聴覚障害を持つ人、移動器具を使っている人、目に見えない障害/精神疾患、全ての人というような項目で対応を学ぶ。まとめたものはこちら。ボランティア研修などに是非活用してほしい。